神戸市内の私立高校三年の男子生徒が飛び降り自殺した問題は、生徒に対するインターネット上の嫌がらせもあったとされる。今、中高生の間では、携帯電話を使って情報交換する掲示板「裏サイト」が横行。実名でひぼう中傷が繰り広げられるなど、いじめの温床とされるが、学校側は「実態が分からず、問題が起こってからしか対処できない」とお手上げ状態だ。専門家は「大人がもっと携帯電話の怖さを知るべきだ」と指摘する。
裏サイトは、各学校の公式サイトとは別に、在校生らが立ち上げたもの。匿名で書き込めるが、学校行事や恋愛の話題に交じり、個人攻撃の書き込みも目につく。
「◯◯、かなりむかつく」「チキンはてめぇだ、引っ込めカス」-。わいせつ画像も少なくない。ネットに詳しい兵庫県教委の指導主事は「アクセス数が多くなると人気ランキングが上がり、広告料も入る。過激であるほどアクセス数が増え、ブレーキが利かない」と指摘する。一方、大人の注意が及ぶ“危険”を察知するとサイトを閉じたり移動したりするため、変化は目まぐるしい。
裏サイトは多くの学校にあるといわれ、生徒には身近な存在だ。神戸市内の高校三年の女子は「暇つぶしに見たり書き込んだりする」。同市内の別の女子(16)は「友だちが『顔がキモイ』と書かれ、腹が立って書き込み返した」。県内の高校では、中傷の書き込みをした生徒を謹慎処分にした例もあるという。
「全国webカウンセリング協議会」(東京)によると、いじめに関する相談のうち、ネット関連は昨年から急増。年間約千件に上り、全体の三分の一を占めるようになった。
一方、学校現場は対応に追われている。生徒名を入力し、ネット検索をする校長や担任。しかしパスワードの設定などで、サイトは簡単には見つからない。神戸市教委の担当者は「ようやくサイトを見つけても、既に中身が消えていることが少なくない」とこぼす。
中には、教諭が生徒になりすまして書き込みに加わり、やめるよう促すケースもあるというが、ある教諭は「モグラたたきで終わりがない」。
ネットに自分のプロフィルを公開する「プロフ」で、本人が知らないまま情報が載せられるトラブルも多発。群馬大学大学院の下田博次教授(情報メディア論)は「おもしろ半分のつもりが度を越し、犯罪につながったこともある。まずは親や教師が学習会を開き、携帯の怖さを認識してほしい」と話す。